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2024/12/4外壁塗装におけるコーキング工事の重要性について解説№529

2024.12.09 (Mon) 更新

外壁塗装において、**コーキング工事(シーリング工事)**は非常に重要な役割を果たします。コーキングとは、建物の外壁やサッシ、目地などの隙間を埋めるために使用される弾性材を指し、以下のような理由で建物の耐久性や快適性を維持する上で欠かせない工事です。


1. 防水性の確保

  • 外壁の隙間や目地部分は雨水が侵入しやすい箇所です。コーキングによってこれらの隙間を埋めることで、建物内部への水の浸入を防ぎ、雨漏り構造体の腐食を防止します。

2. 建物の耐久性向上

  • コーキング材が劣化して亀裂や剥がれが生じると、外壁や建物の構造が直接雨風にさらされるため、建物全体の劣化が加速します。定期的にコーキングを補修することで、建物の寿命を延ばすことができます。

3. 気密性と断熱性の向上

  • コーキングは外壁や窓周りの隙間を埋めることで、気密性を高めます。その結果、外気の侵入や室内の暖気・冷気の漏れを防ぎ、断熱効果が向上します。これにより、冷暖房効率が上がり、光熱費の削減にもつながります。

4. 美観の維持

  • コーキング材が劣化すると、黒ずみやひび割れが目立ち、建物全体の外観が損なわれます。適切なコーキング工事を行うことで、美しい外観を維持できます。

5. 塗装効果の持続

  • コーキング材が適切に施工されていない場合、外壁塗装の効果が十分に発揮されません。隙間からの水分侵入により、塗装の剥がれや膨れが発生することがあります。コーキング工事は塗装の効果を長持ちさせるための前提条件とも言えます。

コーキング材の選定と施工のポイント

  • コーキング材の種類
    シリコン系、ポリウレタン系、アクリル系などがありますが、それぞれの特性に応じて適切な材料を選ぶことが重要です。

  • 施工のタイミング
    コーキング材の寿命は一般的に5~10年程度です。定期的に点検を行い、劣化が見られたら早めに補修を行いましょう。

  • プロの施工
    コーキングは見た目以上に技術が求められる作業です。適切な施工を行わないと、隙間が残ったり、材質に合わない塗料を使用してしまうことがあります。専門の業者に依頼することが推奨されます。


 

 

また、外壁材の種類によって、コーキング工事の方法やポイントが異なります。それぞれの外壁材に適した施工方法を理解することで、適切な仕上がりと耐久性を確保できます。


1. サイディングボード(窯業系・金属系)

特徴

  • 窯業系サイディングはセメントと繊維質を主成分としたパネルで、目地部分が多いのが特徴。
  • 金属系サイディングは軽量で耐久性が高いが、目地の防水処理が重要。

コーキング施工方法

  1. 古いコーキング材の撤去
    • 劣化した既存のコーキングをカッターなどで取り除く。
  2. 目地の清掃
    • 目地部分の汚れや埃を除去し、表面をきれいにする。
  3. プライマー塗布
    • コーキング材が外壁にしっかり密着するよう、目地部分にプライマーを塗布。
  4. コーキング材充填
    • 目地部分に均一にコーキング材を充填し、隙間を完全に埋める。
  5. ヘラ仕上げ
    • ヘラを使って表面を滑らかに整える。

注意点

  • 窯業系では、目地幅に適した弾性のあるコーキング材を選定。
  • 金属系の場合、熱膨張に対応できる高耐久性のコーキング材を使用。

2. モルタル外壁

特徴

  • ひび割れ(クラック)が発生しやすい。
  • 目地が少ないため、ひび割れ部分や窓枠周辺の補修が主。

コーキング施工方法

  1. ひび割れ部分の処理
    • ひび割れに沿ってV字カットを行い、補修材を充填できるスペースを作る。
  2. プライマー塗布
    • コーキング材の密着性を高めるため、カット部分にプライマーを塗布。
  3. コーキング材充填
    • ひび割れ部分にコーキング材を充填し、密着させる。
  4. 仕上げ
    • ヘラで平滑に整えた後、乾燥させる。

注意点

  • モルタルの伸縮性に対応する弾性コーキング材を選択。
  • 下地がしっかり乾燥していることを確認。

3. タイル外壁

特徴

  • 目地部分が多く、防水性を保つためのコーキングが重要。
  • 剥がれや割れたタイルの補修も必要な場合がある。

コーキング施工方法

  1. 目地の清掃
    • 古いコーキング材や汚れを除去。
  2. プライマー塗布
    • タイルの目地部分にプライマーを塗布。
  3. コーキング材充填
    • 目地全体に均一にコーキング材を充填。
  4. 仕上げ
    • タイルのデザインを損なわないよう、丁寧に仕上げる。

注意点

  • コーキング材の色はタイルの色合いに合わせて選ぶ。
  • 高い防水性と耐久性を持つシリコン系コーキング材を使用。

4. ALCパネル(軽量気泡コンクリート)

特徴

  • 目地が多く、コーキング材での防水処理が必要。
  • 吸水性が高く、防水性の維持が重要。

コーキング施工方法

  1. 既存コーキング材の撤去
    • 劣化したコーキングを完全に除去。
  2. プライマー塗布
    • ALCの表面にプライマーを塗布。
  3. コーキング材充填
    • 目地部分にコーキング材を充填。
  4. ヘラ仕上げ
    • 表面を平滑に整える。

注意点

  • 高い弾力性を持つポリウレタン系のコーキング材が推奨される。
  • 水分が残ったまま施工すると密着不良の原因となる。

5. コンクリート外壁

特徴

  • ひび割れが発生することがある。
  • コーキングは主にひび割れや打ち継ぎ部分に使用。

コーキング施工方法

  1. ひび割れ部分の処理
    • クラック部分をV字にカットし、清掃。
  2. プライマー塗布
    • コンクリート表面にプライマーを塗布。
  3. コーキング材充填
    • クラック部分にコーキング材を注入。
  4. 仕上げ
    • 滑らかに整えて乾燥。

注意点

  • コンクリートの無機質感に合ったコーキング材を選ぶ。
  • 下地の乾燥状態を確認してから施工。

まとめ

外壁材の種類ごとに、コーキング材の選定や施工方法が異なります。適切な方法を採用することで、防水性や耐久性を向上させることができます。また、施工には技術と経験が必要なため、専門の業者に依頼することが推奨されます。

 

 

2024/12/9ブログ執筆者

泉州ペイント株式会社 

宮田 遼平       

一般建築物石綿含有建材調査者 外装劣化診断士

外壁塗装・屋根塗装・防水工事 

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